パリ到着

十数時間のフライトを終え、無事パリ到着。入国手続きはあきれるくらい簡単である。言葉も交わさず、顔もほとんど見ない。スーツケースを回収し、運ばれてきたハックと合流。敷いてあったペットシートの下でもぞもぞ動いている。どうやら生きているようだ。
さて検疫、と思い周りを見てみたが、そんな表示はどこにもない。ハックを連れてきてくれた人に聞くと、「あっちから出ていいよ」と「Sortie(出口)」を指差す。係りの人はいるものの、おしゃべりしているだけで僕に話しかけもせず、そのまま通過。用意した書類は何だったのだ。成田の検疫所の人が言ったとおりだ(「向こうではほとんど書類見ないみたいですよ」とのことだったが、全く見ないことが分かった)。出口を通過するとキャプテンが迎えに来てくれていた。「ハックー!ハックー!」と叫んで手を振り、周囲のお迎えの人の耳目を一身に集めている。ハックがトイレしていないか確認し、タクシー乗り場へ。
タクシー運転手はやや太目の黒人さん。ホテルの名前を見せると「ウーン、まぁいいから乗ってよ」的なことを言い(何を言っているのかほとんど聞き取れなかった)、トランクにハックを斜めに載せて(僕が平らに直す)我々に不安を抱かせながら出発する。パリに向かう道中はずっと渋滞。これは週末の環八に近い雰囲気である。そんな中を車線変更しまくり、他のドライバーに悪態をつきながら(こっちが悪い)ぐいぐい進む。「ほんとに知ってるのかな?」と心配していたが、ちゃんとホテルに到着。約60ユーロ。高いねぇ。
ホテルで名前を告げると、一人分の予約だったにもかかわらず、特に何の問題もなくキャプテンとハックも部屋に入れる。こんなんでいいのか。試しにフロントの人にフランス語で「ブラッセリーはありますか?」と聞いてみたが、フランス語の返事を聞き取れず、「フランス語と英語、どっちがいい?」と聞かれ、あえなく英語を選択する。
ハックをケージから出すと、安心したのか僕らの足にスリスリして珍しく甘える。鰹節を与えて労をねぎらう。あちこちにおいを嗅ぎまわり、ベッドの上で横になったり、冷蔵庫の上の狭いスペースに入り込んだり、なかなか行動的である。
ハックを部屋に残し、我々は晩御飯の買出し。「ブラッセリーに行ってみても良いかな」と思っていたが、何しろ高い。二人で食べたら30ユーロはするだろう。スーパーで水とスナック、ビールを買い、隣の総菜屋さんで海老のマリネ、ナスのラザニアのようなものを買い、温めてもらって持ち帰る。水は意外に安く、お惣菜はとても美味しい。明日はデザートも買ってみよう。しかしくたくたに疲れていたせいか、僕にしては珍しくビールも飲まずにさっさと眠ってしまう。