親切なフランス人

フランスに来て、これまでに2度、見ず知らずの人からとても親切にされたことがある。
一度目は電車でパリに行き、オステルリッツ駅で時刻表を見上げていた時のこと。サラリーマン風のおじさんが「お困りですか?」と英語で尋ねてきてくれた。脳の奥深くに埋もれて土に返りかけていた英語を掘り起こし、会話してみると、以前北海道(フランス人が発音すると「オッカイドウ」)に行ったことがあるとの事。もう少し早い列車に乗ろうか迷っていると告げると、「じゃぁ一緒にカウンターに行ってあげよう」と言ってくれる。いい人だ。すでにカウンターには一度行っていたので「大丈夫」と告げ、礼を言って別れる。
2度目は昨日のパリ。行きたかった店を探して地図を見ていると、自転車のおじさんがわざわざ降りて「どこに行きたいの?」と英語で尋ねてくれる。残念ながら店の名前を忘れていたせいで、おじさんの助けは受けられなかったが、礼を言って別れる。(ちなみに目的の店、ベンシモンは我々の目の前にあった)
こういうことがあるとしばらく幸福な気分になる。ベンシモンの店員は至極愛想が悪く、挨拶すらなかったが、さっきの出来事を思い返してホクホクと過ごせる。日本に帰ってから、困っている外人さんを見かけたら、助け舟を出してあげたいものだ。