オルセー美術館


フランスに来て半年、ようやくフランスっぽい内容である。先日から交換されたうちの新しい車、ルノー・栗夫(←Clioの愛称)に乗ってパリに向かう。この車、教習所を出て以来のマニュアル車である。会社で受け取った時には、練習のために駐車場を3周ほど回った。今日もガクガクと車体を揺らし、たまにエンストしながらも無事パリに到着。この日のパリは恐ろしく冷え込んでいて、少し雪も残っている。













10時過ぎに美術館に到着。入り口前にはくねくねと長蛇の列が。正月休みで観光客が多いのだろうか?やめて帰ろうかという考えも一瞬よぎるが、せっかく来たし・・と思い、おとなしく列に加わる。寒さに凍えながら待つこと1時間弱、ようやく館内へ。








オルセー美術館と言えばなんと言ってもこの時計。実物を見るとみんなが写真を撮る気持ちが良く分かる。でっかい。僕もこの日、いろんな角度から4、5枚は撮影した。
ひとしきり時計を眺めた後、まずはパステル画の企画展を見学。「パステルってクレヨン?水彩画っぽくない?」とレベルの低い会話を交わし、さらにはキャプテン「私、絵はあんまり好きじゃないかも」等と爆弾発言をする。そそくさとこのコーナーを切り上げ、早くもカフェで一服する。










注文はキ:ワッフルとコーヒー、隊:ラザニアとホットチョコ。僕のメニューはまとまりがないが、「これから先、カフェでホットチョコがあったら必ず飲むように」とのキャプテンの指示のため、仕方がない。値段は高いし、ラザニアは冷凍食品っぽいが、ジャンクでおいしい。店員さんが親切なのも良い。















体も温まったので見学再開。次は常設展を順路に従って見ていく。こちらの方が企画展よりは数段面白い。教科書で見たことのある名画があちこちで見られる。ルノワール、モネ、ゴッホセザンヌシャガール、などなど。絵の嫌いなキャプテンでも知っている大物ばかり。そしてそれらがそれぞれに感動的だし、美しい。家具や工芸品、装飾品の展示もある。オペラ座のコーナーにはガラス張りの床の下にミニチュアのオペラ座周辺の街並みが展示されている。そして美術館の建物自体もおもしろい。一番印象に残ったのは、キ:雪原のスキーヤーの絵(ミニチュア人形みたいで何か好き)、隊:ゴッホの自画像(色がすごくきれい)。





日本と違うのはこういうメガトン級の名画((c)キャプテン)の周りに警備員がいない事。また海外の美術館は写真OKのところが多いと聞いていたが、確かにみんなパチパチ写真を撮っている。そして不思議な事には絵と並んで写真を撮る人が実に多い。夫婦で交代しながら撮っている人もいた。やはり何かの記念なのだろうか。こういう気持ちはあまり良く分からないが、見ている分には面白かった。そして「禁止」とあってもフラッシュをたく人の多いこと。椅子でビールを飲んでいるおじさんもいた。こういう人が注意されないところもまた日本とは違う。

館内をぐるりと撮影。

見学しているうちに天気も良くなって、窓からはサクレクール寺院やパリの街並みが見える。こうやって見るパリは本当に美しい。少し良さが分かった気がする。美術館巡りもなかなか楽しいものだ。

ルーブルよりは小さいが、それでもオルセーは相当広い。全ての展示を休みながら丁寧に見学しようと思うと、2日はかかりそうだ。最後は疲れて名画素通り。まだ見ていない部屋もあったが、15時過ぎに終了して帰る。玄関に出ると驚いた事にまだ朝と変わらないくらいの行列が並んでいた。