ハック大脱走

帰ってみると、庭に面した掃き出し窓が開いていて、ハックの姿がない。カギがかかっておらず、自分で窓を開けて脱走したようだ。他の猫と遭遇したら、その猫と近隣のみなさまに多大な迷惑をかけること必至である。
荷物を置き、大慌てで捜索に取りかかる。裏庭を隅々まで見て、以前脱走した時に逃げ込んだ2つ隣の家の駐車場を覗くが、姿なし。しばしの捜索の後、キャプテンがおびき出し用のかつお節を取りに家に戻った時、しっぽを膨らませたハックが凄い勢いで駆けて来た。大家さんの家の玄関先で僕としばし対峙。再び逃げ出さないよう、姿勢を低くして「ハック!」と呼びながら手招きするも、呼びかけを無視してまたも逃走。さらに小1時間ほど二手に分かれて捜索する。しかし今度は一向に見つからず、「諦めて帰ってくるのを待った方が良いかな・・」と思いながら家に戻ると、キャプテンが「捕まえた!」とのこと。大家さんの家と塀の間の狭い隙間で身動きが取れなくなっているのをキャプテンが発見し、不法侵入して捕まえたようだ。ハックは身動きは取れなかったが、かつお節は欲しかったらしく、手を伸ばしたところをキャプテンがキャッチ、無理やり引きずり出したらしい。かつお節はその時に袋ごと落としてしまったが、見え難いところだし、今更取りに戻るのも気が引けるので放置。しかし、キャプテン、「ハックー!ハックー!」と連呼していたので、裏に入り込んで何かやっているのは明らかと思われたので、大家さん宅を訪れ、事情を説明してお騒がせしたお詫びを言う。これでようやく捜索&捕獲活動終了。へとへとに疲れてしまった。
部屋に入ると運動してお腹がすいたのか、ハックはいつも通りエサを要求。意地悪するのも面倒だったので黙ってエサをやる。
翌朝、仕事のなかったキャプテンが家で勉強していると、玄関のチャイムが鳴る。大家さんが「落ちてましたよ」とわざわざかつお節を届けてくれた。最後までご迷惑をおかけしてしまい、すみません。