帰国第一陣

harukax、シゲコ氏、キャプテン、そしてハック帰国の日。フランス到着から1年が経過したということだ。この1年は日本にいた時よりも長かったように感じる。フランスには散々振り回されたし、苦労も学ぶことも多かったということだろう。9時過ぎにアパートを出発してシャルル・ド・ゴール空港へ。
渋滞もほとんどなく、11時過ぎには空港到着。これなら手続きを済ませてからお茶できるなと思っていたら、そうはフランスが卸さない。まずチェックインカウンターが半分しか開いておらず、進みが非常に遅い。カウンター前に自動チェックイン機があるものの、みんな手荷物を預けるから、結局は同じカウンターに並ばねばならない。(「手荷物専用カウンター」といった効率化を期待してはならない)その上この自動チェックイン機は非常に使えないもので、このコーナーで取り扱っているはずの日本も香港も受け付けてくれない。(何のためにあるのだ?)
のろのろと列が進み、ようやくカウンターに着くころになって、早めの昼食を終えたと思しき男性スタッフ2名が現れる。他のカウンターは遅いながらもトラブルなく進んでいるし、新たに来た男性スタッフは明らかに他の人達より使えなさそうだし、たぶん昼食後だし(ワインを飲んでいる可能性が高い)、「あそこに並ぶのはイヤだな」と思っていたら、案の定、我々に声がかかってしまう。仕方なく彼にe-チケットを見せると、開口一番「オーサカは扱ってないよな?」と隣の男性スタッフに聞く。おいおい、入り口にJALって書いてあるだろ。まごまごと2人で話し合い、男「15時に来い」などと無茶苦茶なことを言い(出発は13時55分)、我々の怒りを買っていると、隣の女性スタッフが「扱ってるわよ」と一声。更に電話でどこかに確認してようやく作業に取り掛かる。怒れるキャプテンが英語でやり取りをするが(中途半端な僕のフランス語は、こういうシチュエーションには不向きである)、先方の英語は相当いい加減。こんな連中にハックを預けて大丈夫だろうか?という不安が募る。「猫はあそこのケージ」と少し離れたところに置かされ、別のスタッフが取りに来るのを待つ。忘れられていないか不安だったが、しばらくしてちゃんと回収された。さらばハック。無事を祈る。香港に着きませんように。手続きを終えたキャプテン、「ほんとにフランス嫌い」とのこと。
このやり取りの中で唯一良かった事はハックの運搬料金が異常に安かったこと。JALで日本→フランスの時は80,000円弱かかったのに、フランス→日本は240€。半額以下である。男性スタッフが「キロ30€?」と確認していたのを聞いて、「まさかそんなに安いはずは・・・」と思っていたが、やはりそうだった。たぶん彼か、その問い合わせ先の人の間違いなのだろう。これはラッキーだった。もちろん逆のケースも頻発するので、油断してはならない。
ハックの料金を別カウンターで払い終わったのは搭乗開始の13時10分。大慌てで混雑する出国ゲートに向かう。ここで3人とお別れ。キャプテンによるとこの後も大混雑で、結局ギリギリ間に合ったとのこと。フランスでは約3時間前に空港に着いても決して安心してはならない。
一人、車でアパートに戻る。身についた習慣で、ドアを開ける際、ハックが飛び出してこないか、そーっと用心して開けてから誰も居ないことに気付く。フランス生活も残り3ヶ月。