Nikon Micro-NIKKOR-P Auto F3.5 55mm


先日入手したこのレンズ、古いマニュアルレンズで、ニコンのマウントがAiになる前のものである。D80に装着しようとすると、絞りリングが本体側の絞り開放を認識するレバーと干渉して、「ギギギ」といかにも故障しそうな音がする。ネットで調べたところ、Ai化された頃はニコンが改造を受け付けていたらしいが、それももうずいぶんと昔の話。今はやっていないとのこと。しかしこんなところにも先達はいるもので、リングをマウントと同じ高さまで削るだけの簡単な改造で装着できるようになるとのこと。さっそく実行してみる。
マウントのネジは固着して外せなかったため(キャプテンにも協力してもらったが、ビクともせず)、レンズの隙間を全てシールし、削り屑が入り込まないようにしてルーターで削る。先日のアイピース改造の際は、削った屑を放置してキャプテンに怒られたため、今回は掃除しやすいようにお風呂で作業する。30分ほど慎重に黙々と削り、頭や顔がアルミの粉まみれになって完了。途中、屑が目に入って文字通り泣きそうになった。
装着してみるとレバーとレンズが干渉することもなく、すんなりとはまる。絞りも3.5から32まで、問題なく回すことができた。よしよし、新たなメンバーが加わった。こうして自分で一手間かけると、不便なマニュアルレンズも一段と愛着がわいてしまう。
さっそく撮影してみて痛感したのは、普段いかに何も考えずにシャッターを切っているか、ということ。絞り、シャッタースピードISO感度を「こんなものかな」と適当に設定して撮ってみると、真っ暗な写真になる。で、露出を上げるようにちょっと変更すると、今度は白トビしてしまう。本来の撮影はこうなのだな。しばし勉強してみよう。